群知能ロボット研究内容
【研究目的】 実機を用いた実践的群知能の研究
1.研究背景
ロボットに知能を持たせ,複雑な作業を行わせるのであれば,単体の知能を高めるのではなく,ある程度の知能を持たせたロボットを複数用意する.それらを単純なルールで協調させることにより,群れ全体の知能を高め,複雑な作業を行うことが出来る.その集団の知能を群知能といい,アリやハチ,小魚など,個体の知能が低く群れで生育している生物に見られる.
2.群知能ロボット概要
魚群には,嗅覚によって自分の群れの匂いを把握し,群れの凝集や分散を行う特性がある.では群知能ロボットの作成するにあたって,どの様なセンサを用いるか,一定以上の精度で検知できるセンサでなければならない.そこで物体の認識を超音波センサで行い,光電センサと同機にとりつけるリフレクタによって同機判別を行うことにした.前年度は判別ができたが判別を行いつつ追従するルートが直進に限られていたため,今年は判別を行い同時により複雑な動きの追従を行えるようにすることを目指す.
展望
現在,ロボットの社会進出が進むほど,その社会に進出したロボットたちをいかに制御するかが問題になってくると考えられている.ロボットは建物の中などの密閉された限られた空間でしか活動できないイメージがあるが,技術の発展が進んでいけば,屋外での活動を行うロボットや人間の屋外での作業を補助する広範囲の活動範囲を備えたロボットが誕生していくと考えられる.このようにロボットの活動範囲が広がっていくと,ロボットは今までの限られた空間の中だけの制御だけではなく,人間の社会にも適応した広範囲に及ぶ制御が必要となると考えられる.さらに,広範囲の制御を行ううえでは,複雑な制御を行うよりも,単純な制御で行うことができたほうが有益だと考えられる.